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正 直

 自公、過半数割れ。

先月、衆院選の結果を受けて、各紙でそんな大見出しが踊った。

「投票率は53%。政治不信や無関心層が増加し、半数近くの有権者が投票していない。

 かつて、ファシズムは、そんな心の隙を見逃さなかった。今、もしヒットラーのような人物が現れ、巧妙に大衆を引きつけたら、私達の社会はどうなってしまうのだろうか?

 来年、みんなは有権者・・・・・・」

 高校2年対象の公共の授業『選挙と政党』の章で、生徒に熱く語ってしまった。


(オッと失礼、話の前に、私の素性を少し、説明しておく必要がありました)

 私は大学卒業後、Y市役所に11年間勤務(主に広報を担当)しました。

 その後、市役所を中退し、33歳で県立高校の教師に転身。

 公民科の教師として汗を流し、数年前に定年退職を迎えました。

 しかし、教師不足の折、現在も講師として高校の教壇に立ち続けています。

(それでは、本論に戻して話を進めてまいります)


 選挙前、政治と金の報道を受け「政治家は正直に真実を語るべき」との声が相次いだ。

 信なくば、立たず。

政治には信頼が必要であり、政治家は真実を語らなければならない。

 全くその通りで、異論はない。

 但し、本来は、政治家に限らず、誰もが正直であるべきだ、と思うが、言うは易し、行うが難し。

真実を語ることは、そう簡単な話ではない。

 

「嘘はダメ、正直に言いなさい」

親や教師が、自分のことを棚上げし、子供に迫る。

 しかし、そんな大人の本性を見透かして、口を閉ざす子供達。

 会社での上司と部下の関係も同様。

全てをバカ正直に申し出るよりも、モジモジモジ。 

真実を語ることなく、その場を上手にやり過ごした方が得策であるケースもある。


 真実を正直に語ることは、その結果生じてくる全てを自分が受け入れること。

 しかし、人間には、自己保身のために真実を歪めてしまう本性がある。

 だから、他人に正直たれ、と強く迫れても、自分自身には甘くなってしまう。


 ともあれ、国民が政治家の本性を見透かしたのが今回の選挙。

大衆の反逆で、その代償は高くついた。 

同じ頃、アメリカ大統領選挙では、大衆を上手に引きつけたトランプ氏が勝利。

 自国ファーストで世界が混沌となる中、私達の生活はどうなっていくのか?

 結局、政治家に頑張ってもらうしかないが、石破丸は、波高しの航海だ。

 政治と金が注目され、外交や経済、教育等の政策が軽視された印象を受ける衆院選。

 うーん、これで良かったのだろうか・・。



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*今月から、後継指名を受け、本ブログを担当しています。

 浅学非才な私。微力ではありますが、田舎散人の思いを受け継ぎ、

誠心誠意、自分自身の思いを真っ正直に呟いていければ・・、と思っています。

 よろしくお願いいたします。

                          散人見習


# by inakasanjin | 2024-12-15 10:00 | Comments(0)

追悼

*「田舎散人随想」欄の執筆者が替わります。
11月15日、田舎散人=光畑浩治氏は78歳にて長逝されました。
散人見習=桃井正彦氏に執筆を引き継いでいただけることになりました。
毎月1日・15日に、光畑さんが愛したふるさとからお届けいたします。

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追悼


大丈夫、きっとどうにかなる。

散人と話をすれば、そんな気持ちになれた。

なるほど、世の中はそうあるべきだ。

散人の随筆を読めば、そう思えた。


散人とは、俗世を離れて自由気ままに暮らす人、と辞書にある。

私が師とする散人は、純粋に書くことを愛し、生きがいとしていた。

透き通った心を武器に人やものを優しく観察し、さらりと雑感を綴る。

世相や人の生き方を温かく、そして鋭く綴った随筆を田舎日記、として出版。

田舎散人のつぶやき、としても定期的に本ブログに寄稿していた。

できることなら、もっともっと自由気ままな随筆を綴ってもらいたかった。


私と散人の出会いは市役所の上司と部下。

広報係に配属され、市政便りの発行を任された私に、散人はこう教えてくれた。

人に語りかけるように文章を書きなさい。

小学5年生が理解できる文章を書きなさい。


文書を書くのが大の苦手だった私に原稿用紙と4Bの鉛筆が手渡される。

もがき苦しみ、やっと書き上げたお知らせ記事の原稿を散人に持って行く。

少しして、「ハイこれ・・」と差しかえされる原稿用紙。

赤鉛筆でケチョンケチョンに訂正され、原文の姿は全くない。

そんなくり返しの中で多くを学ばせてもらった。


散人に追いつきたい。認めてもらいたい。

私は職場を離れた後も、散人を師と仰ぎ、文章を書き続けた。

何度も居を訪ね、元気になれる話をしてもらった。

そして、書くことが好きになり、いつしか新聞社からエッセイやコラムの執筆依頼。

さらに、本を出版できるまでになった。すべて散人のお陰で、感謝しかない。


田舎散人こと、光畑浩治氏が逝去した。

諸行無常。受け入れなければならないが、どう受け入れたらいいか分からない。

息を引きとる一週間程前、病床を訪ねた。

散人は目を閉じ、何も語ることができなかったが、手は温かかった。

ありがとうございました。教えを受け継ぎ、書き続けていきます。

耳元でそう呟いたとき、散人が私の手をギュッと握りしめてくれた。

あとは頼む。そう受け止めたいが、まだその度量はなく、荷が重い。


書くことは新しく学び直すこと。学びとは空気みたいなもの。

散人は、本ブログの初回の挨拶文で、そう記している。

本来は、「なるほど、そうなのか」と頷きたいが、今の私は散人の域に達していない。

しかし、語りかけるように小学5年生が理解できる文を書くことなら出来るかも・・・。

ペンを握るとき、散人の手の温もりを思い起こし、その原点に立ち返りたい。

散人への恩返し。荷は重いが、少しだけ俗世に関わる散人見習いとして、

散人の教えと道を受け継ぎ、自分の思いを自由気ままに書いていくことしかない。

田舎散人、この世でのお努めお疲れ様でした。安らかにお休みください。合掌。


                          散人見習

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田舎散人(2022年5月撮影)


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# by inakasanjin | 2024-12-01 10:00 | Comments(0)


 福岡県築上町の中安洋子さん(64)が令和5年(2022)度の「キクイモ地域特産物マイスター」に認定された。これまでの実績が評価され、今後、活動の促進や技術アドバイザーとして地域活性化の役割を担うことになる。彼女の「菊芋」への関りを追ってみる。

 最初、父が「広島の宿の朝食のイモの味が良かった」といい「売店で生イモを売っていたので買って帰った」と、名も知らずに上城井地区の2畝(約2㌃)の畑で耕作を始めたのが昭和の終わり頃。菊に似た花が咲くことから菊芋と分かった。平成20年(2008)、父から「種失いだけはするな」といわれ、菊芋畑を引き継いだ。
 菊芋は北米原産で多年草。地下茎の膨らみを食用とし「イヌリン(水溶性食物繊維)」を多く含み、血糖値上昇を抑制、腸を活性化、血圧低下の効果も期待されるダイエット食品としての評価。株は毎年植え替え、有機肥料をたっぷり与え、1株から約5㌔、1反(10㌃)あたり約1トンを収穫することができる。耕作面積は、放棄地などを借り受け、年々増え、現在、4町(4万平方㍍)になり「日本一ですね」と云われる。併せて栽培方法や人体への機能解明研究もすすむ。

 菊芋は畑から掘り出すのも大変な作業だが、水で土を除く洗いも難儀する。しかし「芋は洗って洗い尽くし、土を残さないよう芋を磨きます。土が無ければきれいな芋は保存も長く保てます」と、こだわる中安さん。
 きれいな菊芋のエピソードがある。TV番組「所さんの笑ってこらえて!ダーツの旅に出ます」の収録で、所ジョージさん1行が取材に来られた折、所さんが、積んであったきれいな菊芋を手に取って、生のまま齧った。すると「梨のようだ!」と驚いた様子。やはり磨かれた美しい芋だからこそ手が伸びたのであろう。

 芋づくりの仲間も、年々、増えてきた。さらに「注目の健康野菜、キクイモ」として「林先生の初耳学」や「たけしの家庭の医学」、「名医の太鼓判」などにも登場した。糖尿病や便秘解消などの食材として紹介されるなどメディアも熱い視線を注ぐようになった。シャキシャキ食感の菊芋パワーは広がる。上城井小学校の児童らの「菊芋づくり」体験学習も始まった。健康に効く!芋としてドレッシング、ふりかけ、パウダー、ピクルス、茶、パンなど、煮て、焼いて、炒めて、揚げて、漬ける万能食材として好評。この活動推進の力は合同会社「豊築マルシェモンステラ」のGセブン(7人のガール)が源のようだ。

# by inakasanjin | 2024-02-23 09:00 | 田舎日記 | Comments(0)