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愛しい彼女は70歳

寝るときも起きるときも一緒。僕は彼女にメロメロだ。
今日も僕の側で寝息をたてる彼女。
そんな彼女がとても愛しく、
この甘い生活がズッと続いてほしいと願っている。

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僕の愛しい彼女はマルチーズのベルちゃん。
本来は、犬好きではなかった。
頑固オヤジの僕は、「犬を飼いたい」という幼い娘の声を無視し、
室内で犬を飼うのは絶対にダメだ」と言い続けてきた。
しかし、時の経過と共に娘の発言力が増して、オヤジの権威が失墜。
娘の熱い思いと妻の援護射撃に押し切られて、犬を飼うことに同意。
渋々、ペットショップに向かったのは14年前の春だった。

運命の出会いからしばらくして、
ベルちゃんは家族の大切な一員となり、
僕にとって、なくてはならない存在となった。
外出先から帰ってくると、飛び跳ねて喜ぶ彼女。
僕の趣味は、各地への1人旅をのんびりと楽しむことだが、
家を留守にして一番気になるのはベルちゃんのこと。
遠出で帰宅できない夜も、彼女は玄関先でずっと私は待ってくれている。
その様子の写真が旅先に送られてくると、無性に家に帰りたくなる。

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ペットに全く関心がなかった若き教師時代。
愛犬が亡くなったショックで、数日間、学校を休んだ女生徒がいた。
僕は当時、その生徒の思いを理解することが出来ずに、
優しい言葉をかけてやれなかった。
今なら、もっと違う対応が出来ていたはずだが、心が痛む。
先日、某テレビドラマで“ ペットを大事にすることは、
命を大事にすること。人にも優しくなれる”というセリフを聞いた。
その通り。僕もそう思うし、僕はベルちゃんからそれを教わった。

現在、14歳のベルちゃんは老犬。
人間の年齢に換算すると、70歳前後だという。
数年前から心臓の薬を服用し、腰痛にも悩まされている。
我が家で最も医療費がかかるのはベルちゃんで、
月に数度、定期的に動物病院に通い、入院したこともある。
最近は、自分の体調以上にベルちゃんの様子が気になる日々。
診察を待っていると、飼い主に抱かれたペットが次々とやってくるが、
みんな僕と同じ思いなのだろう

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最近、ペットロスという言葉が気になるようになった。
考えたくはないが、いつかは、必ずやってくるペットとの別れ。
やがて、僕も辛い体験をしなければならないのだろう。
愛しい彼女。
最近、神や仏に手を合わせる際に託す願い事が一つ増えた。
“ベルちゃんがズッと側にいてくれますように……”



 

            

by inakasanjin | 2025-09-15 10:00 | Comments(0)