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“令和の米騒動”と田植え

微かに残る筋肉痛。
先日、実家の田植えを無事に終え、ホッと一息。
近年、筋肉痛が癒えるまで時を要するようになった。
山里で生まれ、飛び交う蛍を眺めながら育った私。
幼い頃は手植えで、猫の手も借りたいほどの忙しさ。
子供も重要な労働力で、農繁休暇で学校は休業日だった。
大人になり家を出て、今は弟が実家を継いでいる。
現在、私の役割は田植えや稲刈り等の際、駆けつけることだ。

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兼業農家として代々伝わる田んぼを守ってくれている弟。
機械化で多くの人手は、必要ではなくなったが、トラクター、
田植機、コンバイン等を揃えると一千万円以上の資金が必要。
農業収入はほとんどなく、会社勤めの給与で農機具を揃える。
多くの農家は、兼業をしなければ米作りを続けられない状態だ。
また、高齢化の影響もあり、離農が相次いでいる我が故郷。
頑張っている米作り農家も「農機具を買い揃える余裕はない。
今、使っている機械が壊れたらもうやめる」と口々に言う。
近い将来、実家周辺は雑草が生い茂る耕作放棄地だらけとなり、
猪や鹿が走り回る獣たちの楽園となってしまう可能性が高い。

“令和の米騒動”と称される米価の高騰が話題となっている。
誰かが利益を得ているのだろうが、農家の経営に変化はなく、
10数年間下がり続けた生産者米価が下げ止まったに過ぎない。
騒動は“米は余剰”という形で無視し続けてきた農政へのツケ。
評論家は減反見直しや生産規模の拡大等、対策を自慢げに語るが、
現場への説得力に欠け、後継者づくりを含め解決は容易ではない。
土作りや水の管理が重要な田は、一度荒廃すれば中々元に戻らない。
離農を食い止めるためには、農機具への助成金等の緊急措置、
速効性のある農家への個別対応が必要だと思うのだが・・・・。

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そういえば、平成の時代にも米騒動があり、世の中は大騒ぎ。
なりふり構わぬ米の緊急輸入で何とか急場をしのいだが・・・。
悲しいかな、喉元過ぎれば熱さを忘れる、の諺の如く、
直ぐに世間の米への関心は消え去り、結局のところは元の木阿弥。
抜本的な農政の改革は行われないまま、米農家は放置され続けた。
“国の食糧安全保障を考えると米の自給体制維持は欠かせない”
“保水能力などの環境保全を考えると水田の役割は極めて重要だ”等
米作りの重要性は叫ばれ続けているが、行動が伴わないのが日本の農政。
今回も米価が安定すれば、再び世間の関心は薄らいでいくのだろうか。
そして、食糧危機になった時にその深刻さに気づき後悔する。
しかし、それでは、遅すぎるのであって、国が滅びてしまう。
もしかして、令和の米騒動は、そうならないための忠告なのかも・・。
政治家や官僚の皆さん。稲穂の国・ニッポンをよろしくお願いします。

ともあれ、弟の大変な頑張りと私の些細な手伝いで植わった早苗たち。
今は、猪と鹿対策の柵に守られながら、すくすくと育っている。
次に私が筋肉痛になるのは秋の予定。
台風や異常気象など、今後、様々な心配ごとがあるが、
なんとか、無事に収穫の季節を迎えたいものだ。
その頃、令和の米騒動は、どうなっているのだろうか。

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by inakasanjin | 2025-07-01 10:00 | Comments(0)