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「生」きるための「活」動は

 私たちの暮らしは「生活」といわれる。学校でのクラブ活動は「部活」といい、民間経営のノウハウ活用は「民活」になり、自分ひとりの生活は「自活」とされる。

 近年「〇活」という言葉が、やたら増えてきた。ふり返ると、就職活動の「就活」が元祖のようだ。この「就活」は、ある記録によると、平成7年(1995)5月27日付の産経新聞に、女子学生から同紙記者宛てに届いた「就職活動(就活)に勢い込む前に元気に明るく暮らすつもりです。就活はイイ女の試金石かも知れません、ね」との手紙に因るようだ。それ以降、各界各層で各種の「活」が次々に誕生してくることになった。


 まず、身近な「婚活」が流行り「妊活」「産活」「保活」「育活」と続いた。また若者の「恋活」が増えると「愛活」「学活」「友活」や「美活」も生まれる。日々の中「朝活」「昼活」「夜活」「寝活」「呆活」「個活」などを愉しむ風潮が生まれてきた、が、映画会社の「日活」までもが、勘違いされる始末。で「温活」「敏活」「燃活」「便活」「菌活」「毛活」になると、訳が分からなくなる。外国ブームがくると「韓活」や「留活」などに惹きつけられる。


 さらにソーシャルメディアを活用する「ソー活」や小学校入学児のランドセルを買う「ラン活」、コラーゲンの正しい理解の「コラ活」、タピオカドリンクを飲む「タピ活」、自分の好きな分野に傾倒する「オタ活」、自由気ままに暮らす「ソロ活」などがあるかと思えば、漢方薬の「羌活(きょうかつ)」や山菜の「独活(うど)」などが巻き込まれる現象もあるようだ。一方、「転活」や「離活」も生れる。さすがに「葬活」は無いが「墓活」議論が活発になり、それぞれの「終活」へと繋がってゆく。最後は「死活」問題に発展するかも知れないが、とにかく生きるための活動は愉しみたい、の思い。就活と終活の詠みをみる。


    就活で父の偉大さやっと知る

    目に見えぬバリア張られているようだ近づけないぞ就活セミナー

    終活で語る人生過去未来

    終活をそろそろせむと話したる友は終活せぬままに逝き


 生活が活発になればなるほどいろんな造語が生まれ、長い年月をかけて定着し「退職後就活終活二刀流」などと、暮らしに楽しさが加わる。言葉が生活を「活性化」させるようだ。


by inakasanjin | 2023-01-20 09:00 | 田舎日記 | Comments(0)