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時を越えて弟の追慕ライブ

 令和4年(2022)10月10日、午後6時半から2時間余、福岡県行橋市JR新田原駅前の「ライブハウスMr・K」で弟の想い出ライブが開かれた。水の事故で昭和27年(1952)6月に亡くなった弟・博海の70年目の追慕ライブになった。感謝この上ない。


 このライブは「Mr・K」オーナーの下宮弘樹さん(61)晴美さん(60)夫妻と松本昌樹毎日新聞記者(59)新森真理子さん(55)のプランで、夏、話が持ち込まれた。とても有り難いことだった。5年前、山の事故で亡くなった下宮さんの長男・圭太郎君の名を刻む「Mr・K」は、昨年オープンしたライブハウス。そこで、音楽好きの松本さんや新森さんらの交流の中、平成18年(2006)に『ふるさと私記』出版会で初披露された新森さんの「れんげ草」を題材にした「ふるさとへ辿る道」の曲が話題になった。


 彼女の音楽ライブでは、これまで「れんげ草」朗読後に「ピアノ演奏で曲を歌っています」と訊いて驚いた。その曲を中心に話がまとまったようだ。そして参加者は私を含め一四名のミニライブになった。タイトルは「朗読と音楽の夕べ~『ふるさと私記』が記した思い」と題して1部は、語り手として「れんげ草に寄せて」で、弟への思いと自らの来し方を伝えた。

 2部は、『夏休み』、『少年時代』、『涙そうそう』、『哀愁華』の歌と演奏が行なわれた。

 そして『ふるさとへ辿る道』は、晴美さん朗読の後、新森さんのピアノ演奏で松本さんが歌った。歌詞の中にある「(略)今年もまた/新緑の季節を連れてくる/柔らかな陽だまりの中で/よみがえるのは君の面影(略)心に眠る懐かしい場所/瞳とじれば/そういつもそばにある(略)」では、しみじみと弟への想いが蘇った。最後は全員で「ふるさと」を合唱して幕を閉じた。


 ライブの中で、新森さんは、この優しいメロディーの曲誕生秘話を語った。

 「あの時は、私のどん底でした。父の看病や家庭内のゴタゴタ、部屋でひとり、電気を消して、静かに思いを馳せていた時、不思議に、すーっと曲がおりてきたんです」といい、また「多くの曲を作ってきましたが、これは、決して忘れることのできない曲なんです」という。

 さらに「この曲を、いつか関係者の方々と共に、演奏、歌ってみたいという夢を持ち続けてきました。今日、その夢が叶いました」とも語った。


 十日のライブは、十三人とともに聴くことができた「新森さんの夢」に、ただ感謝しかない。ありがとうございました。


by inakasanjin | 2022-12-23 09:00 | ふるさと京築 | Comments(0)