2021年 12月 17日
小倉城から「かずら筆」を発信
郷土の仲間で結成している一般社団法人豊前国小笠原協会(川上義光理事長)は、平成時代に100年を超えて復興なった「かずら筆」の普及を図ろうと、発祥の地である「豊前国」の小倉城から全国に向けて発信することになった。かずら筆は、自然から生まれた素朴で、特異な「筆」であり、揮毫された書には、独特な「線」が生まれるといわれる。
まさに人間の技と自然の見えない力が合わさった作品として仕上がるのだろう。大自然の中で息づいた「蔓」の命が、人間の手を伝って「書」の命を生むのだろう。
ひっそりと隠れ伝わった「かずら筆の由来」を伝える「栞」を作った。
【かずら筆の由来】
福岡県みやこ町犀川木井馬場で幕末から明治にかけて書家・下枝董村(しもえだとうそん/1807~85)が暮らしていました。 董村は、小笠原藩十代藩主・小笠原忠忱(幼名・豊千代丸)侯の書道師範を務めていましたが、明治2年(1896)、木井谷を安住の地と定め、明治18年、79歳で没するまで自然豊かな里で日々を送りました。
彼は、村人から現人神として崇められ、日本書家十傑の1人といわれるほどの人物でした。日々三千字の練習を自らに課し、この地で入手できない筆墨は、山中の樹木に絡まる「蔓」を叩いて「筆」、川の水を「墨」、川底の乾いた大石を「紙」として研鑽を重ね、雄渾で躍動感ある書を得意としました。かずら筆は自然を愛し、自然を友とした董村が自然から創り出した筆です。平成元年(1989)、みやこ町の「柿ノ木原董村会」が、百年を超えて復活後、幻の筆として密かに伝わっていたのを「かずら筆同好会」が再復活させました。
独特な「線」が生れる「筆」を使っての「書」を愉しんでください。
一般社団法人豊前国小笠原協会
郷土の特産品として歴史に基づいた珍しい「商品」が誕生。小倉藩で生まれ、伝わる「唯一無二の筆」が愛好家によって小倉城「しろテラス」から広がることを願い、かずら筆独特の「線」の創出を、したためる書に生んでほしいものだ。歴史に埋もれた郷土遺産の誕生ならば、生んだ郷土の先覚の想いを受け継ぎ、守り育てていくべきであろう。これからの時代、風土のフードビジネスが盛んになるのではなかろうか。歴史に培われた「地」を学ぼう。

