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雲龍・不知火の横綱土俵入り

 日本相撲協会は、令和2年(2020)秋場所優勝の関脇正代に大関昇進の伝達を行った。伝達式で正代の口上は「至誠一貫の精神で相撲道に邁進してまいります」だった。明治42年(1909)に今の優勝制度が出来て以降、熊本県出身力士として初の優勝だ。この快挙は、地震、豪雨災害、コロナなどに見舞われた熊本を「元気にする」起爆剤になった。

 正代直也(1991~)は、熊本県宇土市出身。慎重で重圧に弱いといわれたが「熊本への恩返しを」と「優勝への道」を突き進み「大関昇進」を果した。今後、綱取りへ向かって「精進」することになる。綱取りと言えば、72代横綱・稀勢の里寛まで熊本出身の横綱は、8代不知火諾右衛門(1801~54/宇土市)と11代不知火光右衛門(1825~79/大津町)の2人。そして10代雲龍久吉(1823~90/福岡県柳川市)と11代不知火の「横綱土俵入り」が見事な姿だと「雲龍型」と「不知火型」として続いている。

 横綱土俵入りは、大相撲の頂点に立つ横綱だけが執り行うことができる特別な儀式。

 まず行司を先頭に純白の綱を締めた横綱が、露のある草花で主人が汚れないようにと「露払い(つゆはらい)」を前に、後に刀を持って控える家臣に由来する「太刀持ち(たちもち)」力士2人を従えて土俵に上がる。土俵では、横綱を中心に、左に太刀持ち、右に露払いが並ぶ。儀式では、横綱が柏手を打ち、右足で四股踏み、せり上がり、左足で四股踏み、せり上がり、右足で四股踏みの順で行われる。この「せり上がり」の方法と腰に締める「綱の形」で2つの「型」の違いがわかる。土俵入りの「雲龍型」と「不知火型」を見る。

 雲龍型は、四股踏み後、すり足でじりじり姿勢を上げていく「せり上がり」時に、左手を胸に置き、右手を伸ばす「攻守兼備型」といわれる。綱の結び目の輪は一つ。

 不知火型は、四股踏み後、両手を広げ、低い体勢からじわじわと「せり上がり」を見せる「攻撃型」で、大柄な力士は迫力があるそうだ。綱の結び目の輪は二つ。

 相撲の歴史は、垂仁天皇7年(紀元前23)に「野見宿禰と當麻蹶速」の「すまいとらしむ」の記述から2千年を超える。とにかく、大相撲人気が続く中、2人の横綱・不知火を出している熊本。そこに生まれ育った大関・正代関は相撲最高位の「横綱」も、すぐ目の前になった。将来「横綱・正代」誕生ならば、郷土先達の「不知火型」土俵入りになるだろう。


by inakasanjin | 2020-11-06 09:00 | 田舎日記 | Comments(0)