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日本人がハングルを復活 

 韓国の朴槿恵大統領と日本の安倍晋三首相の目が合わない。お隣のリーダー同士が対話できないでいる。打開策を探っているようだが、なかなか見つからないようだ。

 ところで、本屋で面白いかな、と、黄文雄『日本人だけが知らないー世界から絶賛される日本人』のページを捲った。と「400年ぶりに韓国にハングルを復活させた日本人たち」の項目があった。買って、読んで、驚いた。えっ、何、日本人がハングルを復活させた、とは知らなかった。黄文雄は台湾出身の評論家。

 漢字は古代中国に発祥した文字。日本の文字は、カタカナが漢字(楷書)の一部を使って作られた男文字、ひらがなは漢字(草書)の全体を略して作られた女文字とされ、平安時代(794~1192)に生まれたようだ。ハングルは第4代朝鮮王の世宗(セジョン)大王(1397~1450)によって創られたものの、宗主国・中華王朝への遠慮もあり、是認が不可欠条件など両班(ヤンバン)から猛反対に遭い、王の交代で1504年に学習が禁止、後、廃止された。明治19年(1886)日本で鋳造されたハングル活字で印刷された新聞「漢城周報」が韓国で発行された。文章は漢字とハングルの混合文。これは福沢諭吉の提案で文体は韓国の儒学者・姜瑋(キョウイ)の創案と言われる。朝鮮が清国から離れて独自の文化をと、ハングル奨励の朝鮮初の新聞創刊で、日本人の井上角五郎(1860~1938)によってなされた。

 井上は、備後国深津郡野上村(広島県福山市)に生まれ、藩校への特例入学が許可されるほど学業優秀、のち福沢門下生となり慶応義塾を卒業。その彼が諭吉の指示で朝鮮政府顧問として派遣された。新聞へのハングル混用は「姜瑋や宮中の内官たちの功を忘れることができない。とくに外国人である福沢諭吉と井上角五郎の熱意は高く評価」と『韓国新聞史』に記すとある。日清戦争では朝鮮半島の独立、近代化に努め、日韓合邦(1910)以降、ハングルが韓国民に教えられ始め、国民の文字になった。百年あまりだ。近年、韓流ドラマに魅せられた日本人も多く、交流も深まっていたが、竹島問題などが出ると韓国は日本バッシング。と、日本人に嫌韓感情が生まれ、悪韓や犯韓、悲韓、忘韓、捨韓などの造語も飛び交い『もう、無韓心でいい』という本も出た。日本人がハングルを国の文字として根付くよう関心を示した行動を忘れまい。


by inakasanjin | 2020-09-11 09:00 | 歴史秘話 | Comments(0)